はじめまして、御覧頂きありがとうございます。
私は某IT会社に勤めるシステムエンジニアのひろと申します。
最近、OpenAIの「ChatGPT」と Anthropic の「Claude AI」という2つの大規模言語モデルが注目を集めています。
両者はどちらも高度な対話AIシステムですが、実際にどっちの方が使いやすいのか気になりませんか?
前回は、「ブログ記事編」と題して、ブログ作成を効率化するためのプロンプトを用いて、ChatGPTとClaudeAIとを比較してみました。
今回は、「カッコいいキャッチコピーを作る」ための同じ質問を両者に投げかけ、その応答を比較検証してみることにしました。
検証するのはどちらも無料版(ChatGPT3.5およびClaude3 Sonnet)です。
検証のポイント
検証ポイントは、以下の3点です。
- 応答の分かりやすさ
- キャッチコピーのカッコよさ
- 応答の性質
応答の分かりやすさ
以下に優れた生成AIでも分かりやすくなければ、ユーザーにとって利用しにくいです。そのため「応答の分かりやすさ」は1つのポイントになります。
同じ質問を投げかけて、どちらの文章がわかりやすいかを検証します。
応答の性質
少しわかりにくい表現かもしれませんが、ここでは「性質」と呼ばせていただきました。つまり「キャラクター」や「個性」というニュアンスが強いです。
ChatGPTとClaudeAI が、それぞれどんな特徴を持っているのかについて検討してみます。
キャッチコピーのカッコよさ
今回の新しい観点として「キャッチコピーのカッコよさ」についてもみていきます。
キャッチコピーの場合は、ブログ記事と異なり文字数が短いので、短い文にどれだけ意図が反映されているか、思いもよらないアイデアが詰まっているかを「カッコよさ」と言い換えて、確認していきたいと思います。
【検証①】キャッチコピーの生成
私の本業でもとあるプロジェクトの進めるうえで、資料のタイトルを生成AIで作成したりと活用しました。
今回はキャッチコピーの作成を手助けしてもらうために、ChatGPTとClaudeAI に、ブログ生成のプロンプトを投げてみます。
「生成AIの基礎が学べるサービス」としました、このサービスを利用してみたい!と思わせるキャッチコピーを生成したいと思います。
#命令書
あなたは、優秀なコピーライターです。
以下の制約条件をもとに、#商品サービスのキャッチコピーを10個提案してください。
#制約条件:
・文字数は30文字前後です。
・ユーザーの興味を引くようなキャッチーなコピーにしてください。
・これならユーザーの問題、悩み、希望を解決できる!と思ってもらえるようなコピーにしてください。
#ユーザー:
30代の男性
#ユーザーの問題、悩み、希望:
・生成AIについて学びたいけど何から始めたらいいかわからない
・生成AIのプロンプトを使いこなしたいけどわからない
#商品サービス:
・生成AIの基礎を徹底的に学べるサービス
#商品サービスの特長:
・IT未経験大歓迎
・生成AIの基本からプロンプトの使い方がしっかりわかる
・生成AIに詳しい講師によるサービス
・ビジネスで実績を持つ講師によるサービス
上記のプロンプトを「ChatGPT」と「ClaudeAI」に問いかけてみます。
ChatGPT3.5の出力結果
以下が出力結果の全文ですが、気になる点には緑ハイライト。誤った情報や違和感のある個所を赤ハイライトをつけています。
1.AIを楽しく学ぼう!IT未経験でも大丈夫。
2.生成AIの扉を開けよう!専門家による徹底サポート。
3.生成AI、基礎からマスターできる!
4.プロ講師が導くAI入門コース。
5.未来のスキル、今こそ学ぶ!
6.生成AIのプロに学ぶ、確かなスタート。
7.AI初心者歓迎!基礎からじっくり学べる。
8.ビジネスで活かすAIスキル、身につけよう。
9.生成AI、簡単スタートからプロへ。
10.誰でも始められる!AI学習の新定番。
10個提案してくれました。
「応答のわかりやすさ」では、10個をリスト化表示してくれているので明確です。
「応答の性質」としては、全体的に”!”が多いような気がします。そして”AI”または”生成AI”という言葉は入っています。
また、”スタート”や”始められる”など、行動を開始できることに着目したキャッチコピーが多いのも特徴です。
5の”未来のスキル、今こそ学ぶ!”では生成AIなのか、何なのかがわからなくなっています。
「キャッチコピーのカッコよさ」については、主観も交じってはしまいますが、どこか汎用的な印象を持ちました。
プロンプトにもっと特有の要素を含めれば、さらにかっこいいキャッチコピーになるのかもしれません。
ここでは、ClaudeAIとの比較が目的ですので、深堀りはやめて次にいきたいと思います。
Claude3 Sonnetの出力結果
以下が出力結果の全文ですが、こちらも同じように、気になる点には緑ハイライト。誤った情報や違和感のある個所を赤ハイライトをつけています。
- 生成AI基礎から活用まで全てわかる!
- ITベンリ世代のための生成AI入門。
- 生成AIで新時代のビジネスを切り開く。
- 誰でも簡単!生成AIの力を手に入れよう。
- プロンプトの極意を手に入れる生成AI塾。
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10個提案してくれました。
「応答のわかりやすさ」では、10個をリスト化表示してくれているので明確です。
「応答の性質」としては、”!”はありません。そして”AI”または”生成AI”という言葉は入っています。
また、ChatGPT3.5よりもニュアンスの種類が豊富だと感じるのは私だけでしょうか。
「キャッチコピーのカッコよさ」については、”成長を加速する“や”極意を手に入れる“など、始めるだけでなく「サービスを利用すればどうなるのか」が盛り込まれているキャッチコピーも目立ちます。
キャッチコピー素案生成におけるChatGPT3.5とClaude3 Sonnetの違い
以上のとおり、1回の検証だけでは本当の違いはわからないかもしれませんが、ChatGPT3.5とClaude3 Sonnetの違いはなんとなく理解できたのではないでしょうか。
比較して見えた特徴をまとめると以下のようになります。
【ChatGPT3.5】
- “生成AI”や”AI”などキーワードは押さえている
- “スタート”など行動を始めることに注目したキャッチコピーが多い
- ” ! “が多い
- 汎用的なキャッチコピーが多い
【Claude3 Sonnet】
- “生成AI”や”AI”などキーワードは押さえている
- 「サービスを利用するとどうなるか」という行動後の未来をイメージできるキャッチコピーが多い
- ” ! “がない
- 様々なニュアンスのキャッチコピーが多い
いかがでしたしょうか。
私自身ChatGPTとClaudeAIの両方をかじったことはありましたが、どのような違いがあるのか?についてはイメージできていませんでした。
そして検証の結果、無料版のChatGPTとClaudeAIについては、Claude3 Sonnetの方がニュアンスが豊かなイメージです。
一方でChatGPT3.5は、シンプルで汎用的なキャッチコピーが多い印象です。
ChatGPTの場合は、シンプルなところから始めて、具体的に指示を追加して理想のキャッチコピーを生成していくことになると思います。
ClaudeAIの場合は、最初から豊かなニュアンスからイメージを膨らませていくか、で使い方は変わるのだと思います。
この結果がすべてだとは思いませんが、生成AIの機能を有効に利用するためのいち情報になるのではないでしょうか。
それでは、ここまでとさせて頂きます。ご清覧いただきありがとうございました。