あなたは「ITインフラエンジニア」や「インフラ設計構築」と言われても何から始めればよいか分からないと感じていませんか?
または、既に学習を始めているけれども、次に何をすべきか、どのように進めていくべきかについて不安を抱えているかもしれません。
この記事では、これからITインフラ系のシステムエンジニアを目指す初級者が押さえるべき基本から、具体的な学習方法、さらにはキャリアパスの形成まで、段階的に解説します。このロードマップを手に、確実な一歩を踏み出しましょう。
ITインフラエンジニアになることに焦点をあてて、以下の記事でも解説していますので参考としてみてください。
ITインフラエンジニアのロードマップ
初めに結論から伝えますと以下となります。
【結論】
- 初級者は「基本情報技術者試験」の合格を目指す
- サーバ・ネットワーク・DBサーバの構築を経験する
(試験と実機体験は逆転しても問題ありません。)
この結論を説明した、ITインフラエンジニアのロードマップ全体像が以下となります。
初級者は入社後~5年程度を想定し、初級者を大きく以下の4つに分類しました。
- 何から始めてよいか全くわからない方
- 基本情報技術者試験は合格したが、実機経験がなく、次に何をしたらよいかわからない方
- 資格は取得していないが、実機でIT運用経験はある方
- 資格取得およびIT運用経験はないが、実機での構築経験はある方
それぞれ次のステップを詳しく解説します。
上記4つの初級者は、いずれも基本情報技術者試験とサーバなどの実機体験が最優先となります。
そして、セキュリティスペシャリストやネットワークスペシャリストを目指すこととなります。
基本情報技術者試験を目指す理由
結論、取らなくてもいい。ただ取った方が有利です。
ITエンジニアを目指す上でまず最初の登竜門としてあるのがIPAが主催する「基本情報技術者試験」です。まずこちらをベンチマークとして受験しましょう。
基本情報技術者試験のメリットはいくつかあります。
- 初心者がITの基礎知識を網羅するのに効率的
- 持っているだけで若手としては案件にアサインしやすい
よく「実際の案件ではほぼ使えない知識だから取る意味ないよ」といって取得を推奨しない方もおられます。
その言葉も真実ではありますが「エンジニアを発注する企業側からすると、実経験の少ない若手を案件に投入するための判断材料として、そりゃ基本情報を持ってた方が安心」なわけです。
最近ではITパスポートと下位試験として推奨されていますが、ITパスポートは企業側からすると”取得しても案件にアサインできるような資格ではない“レベルなのでITエンジニアを目指す人やこれからITのスキルアップを目指する人が受ける意味はほぼありません。
サーバ・ネットワーク・DBサーバの構築を経験してみよう
ITインフラエンジニアに興味のある初心者にまず実施してみてほしいのは、サーバ・ネットワーク・DBサーバの構築経験を実際にしてみることです。これには以下のメリットがあります。
【実機経験を勧める理由】
- ITインフラの設計・構築のイメージが湧く
- イメージが湧くので、その他の関連知識も紐づけて覚えやすい
机上だけの知識が実機操作を行うことにより、地に足のついた知識へと変わっていきます。
なのでまずは自分のパソコンで色々と試してみることをオススメします。
じゃあ、「何から実機操作したらいいの?」という質問に対して後続のSTEP2で紹介します。
STEP1:基本情報技術者試験を受験・合格する
さてITインフラエンジニアのロードマップで最初に取り組むこととして「基本情報技術者試験への合格」を挙げました。(もちろん実機が先でも全然問題ありません)
ここでは基本情報技術者試験に合格するための簡単なノウハウをお伝えします。
基本情報技術者試験に合格するための2つのポイント
基本情報技術者に合格する方針はたった2つです。
- 過去5年分の過去問を3回ずつ以上解いて理解する
- 文章をしっかりと読解して、焦らず解答する
過去問を5年以上、繰り返し3回ずつ解く
どの参考書でも書かれていることにはなりますが、過去問を解くことが合格への近道となります。
3回ずつ解くというのは、問題を覚えるのではなく、文章の構造に慣れて、文章から解答を導く力を養うためです。
文章をしっかりと読解
基本情報技術者試験はIT知識を問う問題でもありますが、実際には文章をよく理解することで合格基準である60%は達成することができます。
かくいう私も文章読解だけで入社1年目に合格しました。知識というよりも根気で合格できたといっても過言ではありません。
私は学生時代の勉強能力は、平均程度(偏差値50)でしたので、平均点が取れる程度の読解力をお持ちの人は、少し本気で頑張ればとれると思います。
基本情報技術者試験のおすすめ参考書
イラストでイメージしやすい参考書『キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者』と過去問重視の『基本情報技術者 試験によくでる問題集』です。
私が合格したのは2019年であり、2023年4月以降CBT試験に移行されているので、文章問題は変わっているかもしれないので、Amazonで評価の高い過去問題集も紹介します。『基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集』
基本的には過去問をバンバン解いていくスタイルで問題ありません。イラスト式参考書はあくまで補助的な位置づけです。
STEP2:サーバ・ネットワーク・DBサーバを構築してみよう!
次のステップでは「サーバ・ネットワーク・DBサーバの構築経験」について解説します。
結論、以下の要素を養うために実機での経験を行います。
- サーバとは何か、ネットワークとは何か、DBとは何かを理解するには実機が最もイメージできる
- ITインフラの構成(どのように構成されているのか、どう作られているのか、どう作るのか)を理解できる
- その後の学習イメージの基礎とすることができる
初級者におすすめする実機体験方法
具体的には『Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築』をそっくりそのまま実践してみてください。
本書で学べること以下になります。
- ネットワーク構築
- サーバ構築
- WEBサーバインストール
- HTTPの理解
- NATサーバ構築
- DBサーバ構築
- TCP/IP通信の理解
- AWSを通してクラウドも理解できる
【準備するもの】
- 自宅用PC
自宅のPCがあればサーバ構築やネットワーク構築が簡単にできる内容になっています。
そして内容も初心者向けでとてもわかりやすい解説です。
いわゆる「WEB三層構造」と呼ばれる、WEBサーバ、APサーバ、DBサーバの基本構成と呼ばれる三層構造を理解するのに役立ちます。
クラウド時代にも役立つ知識
『Amazon Web Services基礎からのネットワーク&サーバー構築』を実践すれば、AWSをとおしてクラウドも理解できますので一石三鳥といっても過言ではありません。
またクラウド時代といっても背景には基本となるWEBサーバ、APサーバ、DBサーバがネットワークを介して動作しています。
なので、このWEB三層構造とネットワーク知識を深めることがITインフラエンジニアの初級者の最短ルートになります。
- WEB三層構造とネットワーク知識を深めることこそがITインフラエンジニアの初級者の最短ルート
大事なので繰り返しました。
STEP3:スペシャリストを目指す
STEP1とSTEP2をクリアした方には、STEP3以降としてスペシャリストを目指すことをおすすめします。
理由としてIT設計構築を行うためには、セキュリティやネットワークに精通していることが高く望まれるため、この2分野の理解を深めることが近道となります。
セキュリティスペシャリストへの道
まずは、初心者が押さえるべきセキュリティ基礎知識を以下の記事で解説しています。
ネットワークスペシャリストへの道
ネットワークエンジニアを目指す人は、初心者が押さえるべきネットワークの基礎知識を以下の記事で解説しています。
まとめ
これまでの内容を通じて、ITインフラエンジニアとしての基礎からスペシャリストに至るまでのロードマップと、その過程での勉強方法についてご紹介しました。
基本情報技術者試験の受験準備から、実際のサーバーやネットワーク、DBサーバの構築経験を積むことが、このフィールドで成功するための第一歩です。
クラウド時代に基本知識を理解する価値について
また、クラウド技術の進展に伴い、これらの基本的な技術理解がどれだけ価値を持つかを理解することは、これからのキャリアを形成する上で非常に重要です。
試験の準備や実際の構築作業を通じて、理論と実践のバランスを取りながら、効率的かつ効果的な学習方法を選択してください。
クラウドだけを勉強する方もおられますが、クラウドであろうとネットワークやセキュリティの知識は必須なので、どこでも通用する知識を身に着けていきましょう!
自分の学習スタイルに合わせてテキストを選ぶこと
最後に、自分自身の学習スタイルに合わせて、適切な参考書や資料を選ぶことも忘れないでください。ITインフラの世界は広大で、絶えず進化しています。
今回紹介したステップを踏んで、自信を持って技術者としての道を歩み始めましょう。あなたのキャリアが成功に向かうよう、この記事が一助となれば幸いです。