AIが飛躍的に発展を遂げる中、OpenAIの「ChatGPT」に続く新しい生成AIが誕生しました。
その名も「Claude AI」です。
Claude AIは、AI安全性研究に特化する非営利組織Anthropicによって開発された大規模言語モデルで、従来の生成AIを凌駕する高い能力を備えていると注目を集めています。
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Claude AIの特徴
Claude AIの最大の特徴は、透明性が高く、倫理に基づいた制御が可能なAIとして設計されている点にあります。
Anthropicは公開データやサードパーティーの監査を積極的に受け入れ、AIシステムの内部を外部に開示する方針を掲げています。また、違法行為の助長やプライバシー侵害など、倫理に反する挙動は一切しないよう制約がかけられています。
一方で、幅広い一般知識と高度な言語処理能力は、ChatGPTやGPT-3に劣らない水準とされています。
知識ベースは2023年8月時点までのデータに基づいているため、最新の出来事にも一定の対応が可能です。マルチタスク対応力、常識的推論力、因果関係の理解力などでは、ChatGPTを上回る可能性もあると指摘されています。
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開発の経緯
Claude AIの開発は、OpenAIやGoogleなどが手掛ける大規模言語モデルに対抗し、より安全で透明性の高いAIを実現するために行われました。
AnthropicはAI安全性分野の第一人者であるDario Amodei氏らによって設立された組織で、AIの発展における懸念点や課題に真摯に向き合い、倫理的で信頼できるAIの在り方を追求しています。
OpenAIとAnthropicの違い
Claude AIを開発するAuthropicと、ChatGPTを開発したOpenAIとでは何が違うのでしょうか。
組織としての違いは次のようなものがあります。
- 開発の目的と方針
- アプローチ
- 公開データ
- 倫理的配慮
1. 開発の目的と方針
OpenAIは民間企業で、AIの一般化と商業化を目指しています。一方、AnthropicはAI安全性研究に主とした非営利組織です。
2. アプローチ
OpenAIはスケールを重視し、より大規模なモデルを開発することで性能向上を図ろうとしています。AnthropicはAI安全性を最優先に置き、透明性が高く、制御可能で、倫理的なAIの実現を目指しています。
3. 公開データ
OpenAIはモデルの一部を公開していますが、Anthropicはデータや評価を積極的に公開し、第三者による監査を受け入れる姿勢があります。
4. 倫理的配慮
両者ともAI倫理に注力していますが、AnthropicはOpenAIに比べ、より強固な倫理原則と行動規範を持っていると言われています。
要するに、OpenAIは企業としてAIの実用化を目指す一方、AnthropicはAI安全性研究に特化し、透明性と倫理性を重視する非営利団体だと言えます。
ClaudeAIの性能はどうなの?
ChatGPTと比較してClaudeAIの性能はどうなの?実際にClaudeAIを利用してみました。
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スムーズに日本語で返答してくれます。返答スピードもChatGPTと同じ、またはやや速い印象を受けました。
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2024年3月現在アプリ版は存在しないようです。そのためブラウザ上で利用する必要があります。
利用自体はGoogleアカウントやメールアドレス等で利用可能です。
なお、性能についてClaudeAIに問い合わせた結果、以下の回答が得られました。
GPT-4との直接的な比較は難しいですが、私はAnthropicによって開発された大規模言語モデルであり、幅広い知識とタスクに対応できるよう設計されています。
しかし、完全な透明性を期して付け加えさせていただくと、私の知識ベースの最終更新は2023年8月時点のものです。ですので、その後の出来事については、2023年8月時点の高度な知識を持つ人間が見立てるようなレベルの回答しかできない点はご了承ください。
また、倫理的な側面からも、私には一定の制約がかけられており、違法行為や有害な行動を助長したり、プライバシーを侵害したりすることはできません。
つまり、GPT-4と直接比べるのは適切ではありませんが、幅広い一般知識と高度な言語理解・生成能力は備えつつ、倫理に基づいた安全な挙動を心がけているAIシステムであると言えるでしょう。
性能面では、ChatGPTと同等レベルであるようです。また、これまで説明しているとおり、一定の倫理観に基づいています。
実際に使ってみて、とてもスムーズな印象を受けました。
今後、ClaudeAIの詳細な機能とプランについて紹介する予定です。(近日公開予定)
IQテスト結果
Wikipediaになりますが、様々な生成AIが行ったテストから、IQテストの比較結果が公表されています。
2024年3月時点では、ClaudeAIは「Claude 3」というモデルが公表されており、他の生成AIと比較しても非常に優秀な成績を誇ります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Claude
各AIのメンサIQテスト結果 AI IQスコア 35問中の平均正答数 ランダム回答に勝つ確率 Claude 3 101 18.5 99.999999%+ ChatGPT-4 85 13 100.00% Claude 2 82 12 99.99% Bing Copilot 79 11 99.93% Gemini(normal) 77.5 10.5 99.82% Gemini Advanced 76 10 99.59% Grok 68.5 7.5 87.94% Llama-2(Meta) 67 7 80.33% Claude 64 6 56.32% ChatGPT-3.5 64 6 56.32% Grok Fun 64 6 56.32% Random Guesser 63.5 5.8333 50%
今後の展望
Claude AIは、Anthropicの理念である「AIの恩恵を公平に分け合える社会」の実現に向けた第一歩だと言えるでしょう。
Lambert らが示した「AIの権力による搾取や支配」の懸念に対して、開発プロセスの透明性を確保し、公平な監視体制を整備したAIシステムを提示したことは、AI業界に新たな価値観をもたらす可能性があります。
企業に頼らずAIを開発する動きが広がれば、単なるAIの商業化ではなく、人類全体の利益を最優先したAIの進化が期待できるかもしれません。
まとめ
以上が、新しい生成AI「Claude」の概要です。
AIの飛躍的進化に伴い、その影響力は計り知れないほど大きくなっています。
そうした中で、信頼できる透明性の高いAIを実現しようとするAnthropicの取り組みは、極めて意義深いものと言えるでしょう。
今後のClaudeの動向に注目が集まることは間違いありません。
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